「こんなひとりごとにはどんな意味があるのだろう?」
トルストイをして「生命、知恵、教訓、慰安」にみちた「最上の書物のひとつ」と言わしめ、ペソアをはじめ後年の作家たちにも深い影響を与えた『アミエルの日記』。日本でも戦前から広範な読者を得ていたことがよく知られている。凡庸な哲学教師の日記は、なぜこれほどの共感を呼びえたのか。その精髄を贈る。
ベルリン滞在時にはシェリングの教えを受け、ジュネーヴ大学で哲学を講じたアミエルは、詩や評論の著作はあったものの生前に名声を獲得することはなかった。彼の名が注目されるようになったのはその死後、ノート174冊、16900ページにおよぶ日記の抜粋が、女友達の尽力で刊行されたことによる。近代的自意識の詳細な記録ともいうべきその筆致は、思索のための日記だったのか、はたまた日記のための思索だったのか――内省の実践の最果てへとわれわれをいざなう。解説=小倉孝誠「日記文学の極北」
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白水社
2026年7月
新書判 320P
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