



マラルメの「散文詩」全十三篇の翻訳。その執筆と発表は彼の創作活動のほぼすべての時期にわたり、1860年代に「秋の歎き」「青白い憐れな子ども」を含む5篇、70年代に3篇、80年代に4篇、最後の「葛藤」が発表されたのは1895年である。各篇はまず新聞や雑誌に掲載され、その後3度(小冊子を加えれば4度)、単行本に収録された。その最後が1897年の『ディヴァガシオン』で、その際は「逸話あるいは詩」という総題のもとにまとめられた。プレイアード叢書の新編『マラルメ全集』の編者マルシャルは、マラルメにあっては「散文詩はもっとも日常的な現実からとってきた逸話を喚起し、ボードレールが語っていた『現代生活の描写』が受け継がれている」と述べている。
目次:
未来の現象
秋の歎き
冬の戦慄
類推の魔
青白い憐れな子ども
パイプ
見世物中断
ひそかな記憶
縁日興行の口上
白い睡蓮
聖職者
栄光
葛藤
訳者解題
<以上、版元サイトより引用>
月曜社
2023年7月
四六判 並製 112P
188×128mm