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奥歯を噛みしめる 詩がうまれるとき|キム・ソヨン 姜信子監訳 奥歯翻訳委員会訳

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心の傷もわかりあえなさも、 すべてを詩にしたとき、母を愛せるようになった——。 痛みの声を聴く詩人が、母、父、心の傷、そして回復までの日々を語る。 奥歯を噛みしめて耐えること、奥歯を噛みしめて愛すること。 何もできなかったあのころ。それは、詩のうまれゆく時間であった。 生きることそれ自体が、詩になる。 それは特別なことではなく、 あなたの人生もまた詩なのだ。 寒さに震える心をそっと包み込む、かぎりなくあたたかな30篇のエッセイ。 「日本の読者へ」と、三角みづ紀(詩人)による応答エッセイを付す。 著者について キム・ソヨン 詩人。詩集に『数学者の朝』(クオン、2023)、『極まる』、『光たちの疲れが夜を引き寄せる』、『涙という骨』『 iへ』ほか。エッセイ集に『詩人キム・ソヨン 一文字の辞典』(クオン、2021、第8回日本翻訳大賞)、『心の辞典』ほか。露雀洪思容文学賞、現代文学賞、李陸史詩文学賞、現代詩作品賞などを受賞。 訳者について 姜信子(きょう・のぶこ/カン・シンジャ) 作家。横浜生まれ。主な著書に『語りと祈り』、『はじまれ、ふたたび いのちの歌をめぐる旅』、『現代説経集』、『声 千年先に届くほどに』、『棄郷ノート』、山内明美との共著『忘却の野に春を想う』ほか多数。編書に、谺雄二『死ぬふりだけでやめとけや 谺雄二詩文集』、『金石範評論集Ⅰ 文学・言語論』、『金石範評論集Ⅱ 思想・歴史論』。訳書に、『詩人キム・ソヨン 一文字の辞典』(クオン、第8回日本翻訳大賞)、李清俊『あなたたちの天国』、ホ・ヨンソン『海女たち』(共訳)ほか。 奥歯翻訳委員会 李和静、佐藤里愛、申樹浩、田畑智子、永妻由香里、バーチ美和、ほとりさよ、松原佳澄 『詩人キム・ソヨン 一文字の辞典』(クオン)で第8回日本翻訳大賞を受賞。 目次 日本の読者へ はじめに 1 母を終えた母 2 口があるということ 慶州市千軍洞の敵産家屋 振り返らせる 歩いてそこへ行く 少し違うこと 懐中電灯を照らしながら歩いた夜 場所愛 topophilia 間隙の卑しさの中で 祈りをしばしやめること 私を煩わせる「無」 パンと彼女 失敗がきらめく 「積ん読」と「積ん読の対義語」 無能の人 あらゆる者の視点 3 儚い喜び 4 「途方もなさ」について じたばたのつぎのステップ 音なき岩 皮膚を剥がす 奥歯を噛みしめる わたしが詩人なら 楯突く時間 得る 二〇三〇年一月一日 火曜日 晴れ 明日は何をしようか 木の箸と木彫りの人形 平和であれ 5 二箱の手紙 忘れないために、手放すために 三角みづ紀 監訳者あとがき たとえ奥歯はすりへろうとも <以上、画像・テキストともに版元サイトより引用> かたばみ書房 2023年11月 四六判並製232頁

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